理屈としてはまさにその通りで、実際に水道水を原料にしてペットボトル詰めで販売している商品は世の中に存在します。
食品衛生法上、ペットボトル水は大きく分類されており、水道水をベースにしたものは「飲用水(ボトルドウォーター)」という区分になります。
実際に商品として成立させるためのポイントや実例は次のとおりです。
1. 自治体や水道局のボトリング事例
多くの自治体の水道局が、地元の水源や浄水技術をPRするために「水道水を高度処理・加熱殺菌してボトリングした商品」を製造・販売(または備蓄・配布)しています。
「東京水」(東京都水道局)
「ほんとの水」(福岡市水道局:イベント配布や備蓄向けなど)
「大坂水」(大阪市水道局)
これらはまさに、水道水をさらに精密ろ過して加熱殺菌し、無菌状態で密閉充填したものです。
2. 「飲用水(ボトルドウォーター)」の製造要件
家庭のやかんで沸かすのと理屈は同じですが、商品として流通させるには食品衛生法に基づく基準をクリアする必要があります。
加熱殺菌の基準:
原水を85℃以上で30分間加熱、またはこれと同等以上の殺菌効力を持つ方法で処理すること。
無菌充填ライン:
塩素が抜けた水は極めて雑菌が繁殖しやすいため、充填ラインはクリーンルーム(無菌環境)で行い、ペットボトル自体もオゾン水や過酸化水素などで徹底殺菌してからキャッピングします。
賞味期限の設定:
密閉と殺菌が完璧であれば、保存水として数年(3〜5年)持たせることが可能です。
3. ビジネスとしての実情
技術的には完全に商品化できますが、一般市場でビジネスとして戦う場合は次の点が壁になります。
「ナチュラルミネラルウォーター」との競合:
市販のミネラルウォーターの多くは天然湧水や地下水を原水としており、「天然」「自然の恵み」という付加価値を打ち出しています。
水道水由来の「飲用水」は、採水コストは極めて低い反面、ブランド力で天然水に劣るため、「防災用長期保存水」や「超軟水・純水(赤ちゃんのミルク用や薬用)」といった明確な機能性を持たせて差別化するのが定石です。
発想としては非常に的を射ており、実際に「高度に処理・加熱殺菌して密閉した水道水」は、災害時の長期備蓄水などとして立派に実用化されています。